2015_08
19
(Wed)05:29

北への男旅 2日目 第3話

仙庭2

北海道第一泊目は襟裳岬から1km離れた民宿 「仙庭」。
年季の入った建物は昭和45年製で開業当初とほぼ変わらない。
ここはかつて北海道では最も有名なユースホステルのひとつでした。
※以下YHと称します

何が有名なのかと言うと80年代までのYH全盛期に北海道には
「3馬鹿YH」ってのがありまして代表的なのが私も働いた桃岩荘YH
そして知床の岩尾別YH、そしてここ襟裳岬YHです。

YHという宿で何が馬鹿なの?と利用された事のない方の
為に説明しますと当時殆どのYHは夕食後、大部屋に集まって
ミーティングと称する小集会を開いていました。

宿周辺の見どころの案内や街の歴史などをペアレントと呼ばれる
経営者やヘルパーと呼ばれるアルバイトなどが説明に立つのが普通
なんですが、たまに宿泊者を巻き込んでの歌と踊りが派手な場所が
あり中でもはしゃぎっぷりが半端でなかったのが上記の3馬鹿です。

YHってのは青少年の育成が目的ですからアルコールは禁止です。
つまりその日たまたま泊まりあった人たちが一緒に大声で歌ったり
宿のオリジナルの踊りをシラフでやるという日常では理解できない
世界なのです。

しかし旅先という非日常の場ではこれがなぜか受けるのですな。
恥も外聞も無く共に騒げば不思議と他の人と親近感が生まれるし
それがきっかけで生涯に欠かせなくなった友人になったり後に
カップルになったり伴侶にまでなったケースもいくつか知ってます。

※ここではないですが私も妻とYHで知り合いました。^^



仙庭3
※1985.8.12日航ジャンボ機が落ちた夜の次の日の朝でした。
  ここはテレビも無いのでこの時点では事故を知りません。


これは30年前に私が初めて泊まった日の朝です。
当時は8月ともなれば毎晩60~80人の若者がいました。
毎晩のように宴が繰り返され沢山の出会いと別れがありました。

その後90年代に入って少子化、旅人の減少、相部屋制への
抵抗があって、ここのYHに限らずすこしづつ斜陽時代に入ります。
事実ここ30年で全国の半分のYHが廃業されてしまいました。

そんな中、襟裳岬YHも経営者の主人が亡くなったこともあって
10年ほど前にYH協会を脱退し規模を縮小し民宿として再出発。
経営スタイルが変わり昔日の賑わいは望むべくもありませんが
建物は内外装ともYH時代の面影をよく保存されてます。

そしてこの宿を語るときにどうしても外せない方がいます。



かあさん
※宿のH・Pより拝借画像。

旅人から 「かあさん」 の愛称で知られる経営者の奥さま。
YH時代から現在まで襟裳の顔として北の旅人には有名なお方。
亡きご主人はどちらかというとオーナー的な裏方の存在で
表に出てくることは無くて奥さまであるこの方がいつもお客さんの
前に出て笑顔と元気を振りまいていました。

独特なテンションの人で説明がしづらいので動画でどうぞ。^^




お暇な方はこちらもどうぞ。https://youtu.be/bd5aO7F_QAc


85年に最初に泊まった後、89年までに10泊以上お世話に
なり、時にはかあさんにアルバイトに誘われたりと色んな思い出の
宿の中でも特にお気に入りで今回も苫小牧から近いこともあって
真っ先に予約したのです。 その時宿のホムペに一文が・・・

2017年5月30日を持って廃業が決まりました。

もうねショックでしたよ

これで行かないわけには

いかないと心に誓いましたよ


最寄駅である様似駅を含む日高本線が1月の災害の
あと運行休止となり復旧の目処立たず廃線の可能性が高い事。

かあさんも高齢(と言っても60代後半)で後継者がいない事。

そして建物が古く消防法に適合しなくなってきている事。


ここに限らず思い出の場所が時代に飲まれて消えていきます。
仕方のない事なんでしょうけど寂しさが募ります。
かあさんの話を聞きながらしんみりしていると・・・・・

「でもねアンタは一番いい時代を経験したんよ」

かあさんのこの一言に救われた気がしました。


「かあさんはこの宿畳んだ後、どうするの?」と聞いたら。

「田舎である九州に帰ってまた宿でもやるかね!」


結局また宿やるんかい!



どうもこの方にとって「宿のかあさん」は天職なんだな。


大変残念だけど次にここ来ても宿もかあさんも
もう無いんだよな・・・・・・・。

その夜の酒はいつになく沁みました。



3日目 第1話につづく










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No title

お帰りなさい、ご無事で何よりです。
私もここに86年に泊まりました、スゲー大勢で撮った記念写真が残ってました。

2015/08/20 (Thu) 10:01 | かとう #- | URL | 編集 | 返信

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