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2007_10
08
(Mon)16:39

主のいない工作室

もう使われることの無い工作机

かつてこの机からは多くの名作が生まれました。
しかし、もう2度とここが使われることが無くなりました。
今は帰る事の無い主をじっと待っているかのようです。

当リンクにもある「スカーレットのアルバム」の管理人であり
名鉄電車のペーパーモデラーとして、この趣味界に広く知られ
先月惜しくも亡くなられた鬼頭哲哉氏の工作机です。

遠方の知人より託された荷物を届ける為に本日友人と二人で
鬼頭哲哉氏の実家に行き、ご家族の了承を得て撮影したものです。
早いものであの悲報から一ヶ月が経ちました。
そしてもうひとつ見せて頂いたものがあります。
完成間じかの80系


長年、名鉄電車を中心に製作を続けてきた彼ですが晩年の作は何故か
飯田線のスカ色旧型国電と画像の80系湘南電車でした。
残念ながら80系のほうは未完に終わりましたが私が見たところ
艤装もほぼ終えており95%の工作は終了してました。

この2作の製作を始めた頃には既に病魔が進行しており
本人もそれを知ってたらしくスカ色車については考えられない
程のスピードで完成させましたが、この80系の頃には体の麻痺が
始まり思うように指が動かない時もあったようです。

彼の自宅を出た後に彼の通った早川模型中村店にも行きました。
そこで店のオバチャンから聞いたのですが彼は今年の春頃にふらっと
店に現れ、ショーケースに展示している自身の模型の入れ替えを
済ませた後に工作用の紙を100枚も買って行ったそうです。
普段は慎重派で余分な買い物はしない彼の行動にオバチャンも
驚いたとの事。

そこに彼の覚悟を見たような気がします。
もう買いに来れることはないだろうと言う現実と
100枚使い切るまで生きてやるという思いと・・・
結果的にその100枚はほとんど使うことはありませんでした。
80系の先に彼が何を作ろうとしたのか何を残そうとしたのか?
今となっては解らないままになってしまいました。

けれど最後まであきらめずに工作に情熱を掛けていて
その死の間際まで作り続けた彼の姿勢はきっと後世に
語り継がれていくでしょう。



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